家電/エレクトロニクス・建築から鉄道車両、航空機などモビリティ分野まで。
セキスイの難燃技術は常に進化していきます。
UL94における燃焼試験の性能比較と試験イメージ図
固体プラスチック材料
グレード | 熱焼性 |
---|---|
UL94HB | 遅燃性 |
UL94V-2 | 難燃性 |
UL94V-1 | 難燃性 |
UL94V-0 | 難燃性 |
UL945VB | 難燃性 |
UL945VA | 難燃性 |
低い
高い
発泡材料
ソフトロンFR-NDの燃焼性能
グレード | 燃焼試験方法 | ||
---|---|---|---|
UL94 HF-1 | FMVSS 302 | 鉄道車両 | |
#3002 | ◎ | ○ | |
# 3003 | ◎ | ○ | |
# 3004 | ◎ | ○ | ◎ 難燃焼 |
# 3005 | ◎ | ○ | ◎ 難燃焼 |
◎:認定 ○:相当品
様々な用途で日々高まる難燃性への要求。
用途はもちろん、難燃規格や使う材質によって要求性能が異なります。
今日、ヒトやモノの近くに使われる材料には「燃えにくい」もしくは「燃えない」性質が求められてきました。「難燃・不燃」への要望が、それぞれの用途や市場において独自の難燃規格を生み出してきました。
例えば、アメリカ保険業者安全試験所(Underwriters Laboratories Inc.: UL)が策定する製品安全規格であるUL規格には、プラスチックの燃焼性を測定するための「UL94」という規格が存在し、非常に多くの産業で代表的な指針とされております。
セキスイのソフトロンFR-NDグレードは厚み2mmから5mmまでUL94 HF-1規格の認証を取得しており、エアコン本体の断熱材やプリンター内部の緩衝材などさまざまな用途に使用されています。また、自動車内装材料において必要とされるFMVSS302の試験規格に相当する難燃性も有しており、車両電子デバイスの緩衝材、断熱材などにも使用されています。
「燃えやすい」を、「燃えにくい」に。
セキスイのフォームは改良を続け、建築・鉄道車両に採用され続けています。
住宅やビルなどの建築構造物や鉄道車両に欠かせない空調設備。
その空調設備のエネルギー効率を高めるために、断熱材は必ず使用されています。
セキスイが30年以上前に開発したThermobreakは、空調機器本体やダクト配管の断熱材として建築用空調設備や鉄道車両に使用され続け、安全かつ快適な空間づくりに役立っています。
Thermobreakは今でも進化を続け、2020年にはThermobreak LS-FMPが建築基準法に基づく国土交通省不燃認定を取得しています。また、Thermobreak-RTは世界各国の鉄道車両向け難燃・発煙規格を取得しており、あらゆる要求にお応えしています。
欧州 & アジア
規格基準 EN 45545-2
EU諸国の各国異なる鉄道車両難燃・発煙規格を統合して施行された規格です。
EU地域での施行後には、アジア地域(インド、中国、アセアン諸国、中東諸国等)でもEN 45545-2が流用される様になっています。
Thermobreak RTは、HL3等級に適合しています。
試験方法 | 適合厚み | |
---|---|---|
ISO 5658 Part 2 | 燃焼速度 ( Flame Spread) | t5mm ~ t100mm HL3適合 |
ISO 5659 Part 2 | 発煙濃度 & 発煙毒性 (Smoke Density & Smoke Toxicity) | t5mm ~ t100mm HL3適合 |
ISO 5660 Part 1 | 発熱量 (Heat Release Rate) | t5mm ~ t100mm HL3適合 |
米国、カナダ & アジア
規格基準 NFPA 130
NFPA130は、全米防火協会の鉄道業界向け安全規格です。米国&カナダの鉄道車両に適用される安全規格です。一部アジア地域(台湾、アセアン諸国等)でも鉄道車両案件にNFPA130が適用される事があります。
Thermobreak RTはNFPA 130に適合しています。
試験方法 | 適合厚み | |
---|---|---|
ASTM E162 | 燃焼性 (Surface Flammability) | t5mm ~ t25mm |
ASTM E662 | 発煙濃度 (Smoke Density) | t5mm ~ t25mm |
規格基準 PRIIA
PRIIA (Passenger Rail Investment and Improvement Act of 2008)条文記載されている鉄道車両に適用される安全規格です。米国の鉄道車両に適用される場合があります。
Thermobreak RTはPRIIAに適合しています。
試験方法 | 適合厚み | |
---|---|---|
ASTM E1354 | 発熱量 (Heat Release Rate) | t5mm ~ t25mm |
BSS 7239 | 発煙毒性 (Smoke Toxicity) | t5mm ~ t25mm |
要求規格 | 試験方法 | SoftlonLHR |
---|---|---|
低発熱性 | FAR25.853(d)App.FPart IV | Pass |
60秒垂直燃焼 | FAR25.853(a)App.FPart I | Pass |
12秒垂直燃焼 | FAR25.853(a)App.FPart I | Pass |
煙密度 | FAR25.853(a)App.FPart V | Pass |
毒性 | BSS7239/AITM3.0005 | Pass |
※厚さ9mm以下
次の時代を見据え、厳しい航空機の難燃規格に挑戦。
「燃えにくい」だけではダメ。見えてきたのは「低発熱性」という新たな技術。
世界経済及び新興国の人口増加により、運航機体数は伸び続けると言われております。同時に、航空機には高度な技術が結集しており、一つ一つの材料に求められる性能も非常に高くなっています。
航空機に用いられる材料には、火(Fire)、煙(Smoke)や毒性(Toxicity)に関して厳しく規格化されており、これらを合わせて「FST性能」と呼ばれます。さらに航空機の内装には燃焼時の「低発熱性」という特殊な性能が必要になります。
セキスイはこれらの厳しい基準をクリアすべく研究を重ね、汎用樹脂を用いたフォーム材としては世界最高レベルの低発熱性を持ったフォームの実現に成功いたしました。今後は、航空機における座席や壁・天井、ギャレーなどにおける緩衝・断熱材として早期展開を図ると共に、船舶・建築分野などへの市場展開も進めていきます。