SOFTLON ソフトロンとは

ソフトロンのソリューション編

発泡体の種類

発泡体の種類
  • 発泡体とは

    プラスチック中に気泡を分散させ、多孔質にした物。「泡」という意味を指す「フォーム」とも呼ばれます。内部に空気を多く含む事から、緩衝性や断熱性、軽量性などに優れます。ご家庭では台所のスポンジや、イスや枕などのクッション材として使われています。

  • 独立気泡体(Closed cell foam)とは

    気泡同士がつながっておらず、独立した構造の発泡体です。
    反対に、気泡同士がつながった構造を「連続気泡(Open cell )」と呼びます。
    独立気泡は内部の空気が抜けにくい為、適度な反発性、形状回復の速さ、非吸水性、防水性などが特徴です。

  • 架橋ポリエチレンとは

    ポリエチレンの分子鎖同士を結合させたものです。架橋する事で強度や耐熱性、耐薬品性などを高められます。
    1つ1つの長い分子鎖を「橋架け」するように結合する為、この反応を架橋と呼びます。

  • 電子線架橋とは

    高分子材料に電子線を照射することで一部の分子結合を切り、活性点(ラジカル)が発生します。電子線架橋は、この活性点同士が結合する架橋方法です。
    化学架橋品と比べて、架橋度が均一で安定しやすい手法です。表面が柔軟で仕上がりが綺麗、架橋剤を用いない為発色が良いなどのメリットがあります。

発泡体の製造方法

  • 押出工程

    主原料(PE・PP)、発泡剤などを混合し
    押出成形によりシート化

    押出工程

  • 照射工程

    独自の電子線による架橋技術を駆使し
    分子レベルで結合を強化

    照射工程

  • 発泡工程

    加熱することでシートを発泡、
    最大40倍の体積を持つ発泡体に

    発泡工程

積水のコアテクノロジー

  • 1

    ポリオレフィン由来

    ポリオレフィン樹脂をシート状に加工

    ポリオレフィン樹脂に
    発泡剤と副原料を加えて混合し、
    押出成型によりシート状にします。
    独自の成型技術で
    厚みを高精度にコントロールしています。

    機能
    ・耐熱性・段差追従性・柔軟性・電気特性・耐薬品性/耐油性・低環境負荷
  • 2

    電子線架橋由来

    電子線照射でより強固な分子構造に

    生成したシートに、
    独自の電子線照射技術で架橋します。
    化学架橋では得られない
    優れた機械的強度や平滑性を実現しています。

    機能
    ・高強度/耐久性・熱成型性・耐熱性・薄肉性・平滑性・加工性
  • 3

    独立気泡由来

    加熱発泡してフォームを形成

    加熱することでシートを発泡します。
    気泡がつながることなく、
    そのひとつひとつが独立した構造のため、
    優れた断熱性、緩衝性を実現しています。

    機能
    ・防水性/吸水性・断熱性・衝撃吸収性・電気特性・平滑性・加工性
各機能の詳細はこちら

主要製品の位置付け

主要製品の位置付け

防水性
吸水性

吸水性が低いポリオレフィン樹脂が、
独立した気泡構造をしているため、
水分を中に染み込ませません。

ポリオレフィンは親油性樹脂であり、透湿性が低い材質となっています。
またソフトロンは、連続気泡のように気泡と気泡が繋がっておらず、
水が入り込まない構造も有している為、優れた耐水性を発揮します。
そのため、ソフトロンの長い歴史の中で、
お風呂マットをはじめパッキン材料などに用途が広がりました。

水などの液体を通した場合

高強度
耐久性

無架橋のものに比べ、
耐熱性を向上させているため、
強くしなやかな材料として普及しています。

ひも状の高分子が複雑に絡み合ったポリマー構造が、架橋を行うことでさらに緊密に分子同士が繋がります。
その結果、分子同士が網目状構造となり、材料としての耐熱性、強度が向上します。
そのため、無架橋ポリオレフィンに比べ、強くしなやかな材質として高く評価されています。

架橋と無架橋による物性の違い
高温高湿耐久性

柔軟性

樹脂本来の柔らかさと独立気泡構造により、
適度な反発力とクッション性を
兼ね備えています。

電子線架橋されたシートは、その後発泡工程において空気を多く含むフォームとなります。その際に、様々な発泡倍率で製造されたシートは内部の気泡同士が壁で隔てられた独立気泡構造(独泡)を形成します。

連続した気泡構造(連泡)を持つフォームとは異なり、適度な反発力を残しながらも底づき感(押し込んだ際に下地に当たるような感触)のない独特なクッション感と緩衝性を発揮します。薄くても優れた緩衝性を有するため、精密機器の梱包における緩衝材などに用いられています。

圧縮SSカーブ

耐熱性

高い耐熱性を有するポリプロピレン(PP)樹脂は、
高温領域でも寸法変化がほとんど発生しません。

加熱寸法変化率とは、発泡体に外力をかけず、加熱して各温度下で発泡体がどの程度収縮するかを表わすものです。
ポリエチレンフォームは80℃を越えると右図のように変形が起こるのに対して、ポリプロピレンフォームは140℃でも面積変化率が3%以下と耐熱性に優れます。

加熱寸法変化率

断熱性

空気を多く含んでおり、
かつ気泡内部の対流が僅少のため、
熱伝導率が低く優れた断熱性を発揮します。

多くの空気をその内部に含んだ高い発泡倍率によって作られたソフトロンは、一般的な断熱材と比べ高い断熱性能(=低い熱伝導率)を有しております。
また、フォームの中において、1つ1つの緻密な気泡が独立しており、気泡内部での空気の対流が小さく熱を伝えにくいことも優れた断熱性能の理由であると考えられています。
グラスウールや硬質フォームなどと異なり、加工も容易なソフトロンは非常に小さな隙間などの断熱材として最適であり、住宅をはじめ各種機械などに用いられています。

熱伝導率

薄肉性

積水独自の薄膜化技術により、
1mm以下の薄いフォームを実現します。

通常のフォームは発泡させることにより体積が大きくなりますが、積水が提案する薄型フォームは発泡時の気泡セルサイズを極限まで小さくし、
厚みを極限まで薄くすることで、電子デバイスの小型化に貢献しています。

衝撃吸収性

樹脂本来の柔軟性と
フォームの気泡構造によって、
物理的な高速での圧力(衝撃エネルギー)を
均一に分散します。

ある物体が移動して他の物体に物理的に接触する事で衝撃エネルギーは発生します。その衝撃を熱エネルギーに変換することで衝撃を吸収する事が出来ます。

衝撃吸収性

段差追従性

フォームが持つ柔軟性を生かし、
段差や鋭角な被着体に追従して隙間を埋めます。

テープなどの封止材料は、その材料に使用される物質の封止性能だけでなく、被着体の凹凸や粗い表面へより多く接地させることで封止性能が大きく左右されます。
高い柔軟性を有した材料であれば、被着体との間に生まれる隙間をなくし、高い封止性能を発揮できます。

段差追従性

熱成型性

耐熱性が高いポリプロピレン樹脂が
成型時の高温に耐えられるため、
高い深絞り性を発揮します。

ポリプロピレンはポリエチレンよりも融点が高い材質となっております。
そのため、成型時の高い温度でも耐熱性を発揮して、優れた熱成型性と緩衝性を両立することが出来ます。
具体的な用途としては車両内装材や果物の保護トレイなどに用いられています。

真空成型後

平滑性

化学架橋よりも、気泡が緻密かつ均等であり
キレイな表面を持っているため、粘着塗布に適しています。

電子線架橋は電子を高電圧で加速させ、得られた加速電子をシートに照射しそのエネルギーで、架橋を行うプロセスです。
電子線架橋は加速電子がシートをまんべんなく且つ安定的に通過するため、過酸化物などの架橋剤を用いる架橋法(化学架橋)などと比較し、より均一に架橋できるメリットがあります。
そのため、発泡時に均一な発泡を行うことができ、粘着塗布などに適した美しい表面層が形成されます。

電気特性

多くの空気を含みながら、
それぞれ独立した気泡を持つ構造が
優れた絶縁耐力と非常に低い誘電率を発揮します。

独立した気泡構造により、絶縁耐力の低い空気同士のつながりがないため、優れた絶縁耐力を発揮します。
また、汎用プラスチックのなかでも誘電率の低いポリオレフィン樹脂で且つ空気を含む構造を有する為、低い誘電率を示します。
近年はそれらの性質が着目され、精密機械やRFIDタグなどの繊細なモジュール周辺などに用いられています。

電気特性

耐薬品性
耐油性

酸・アルカリ・有機溶剤などの化学薬品に
優れた耐性を有し、
様々な産業で用いられています。

ポリエチレンを主材としたソフトロンは、ポリエチレンが持つ高い耐薬品をそのまま継承しております。
そのため、他素材のフォーム材料が膨潤や収縮・溶解などの影響を受ける、酸・アルカリ・有機溶剤などに対しても優れた耐性を持っているため、様々な産業で縁の下の力持ちとして活躍しています。

低環境負荷

ハロゲンを含まず、
燃焼・加熱時にも有毒ガスを発生させません。

ポリオレフィンはプラスチックの1種であり、炭化水素の2重結合を持ったモノマー(単位分子)を用いて合成させて得られた
ポリマー(樹脂)の総称です。ソフトロンはこのポリオレフィン(主にはポリエチレン)が主原料のフォーム(発泡体)であり、
フッ素や塩素などのハロゲンを含んでいないため燃焼時、毒性の強いガスを発生させません。

加工性

優れた形状安定性により、
さまざまな加工を実現します。

熱可塑性のポリオレフィン樹脂を使用しているソフトロンは、温度変化によってポリマーの流動性を変化させることができます。加熱して溶融させることで他素材をくっつけたり、フォームを変形させることが可能です。また、常温時の形状安定性を生かして複雑な形状にカットしたりすることも可能です。

主な加工事例

ソフトロンの加工性

ソフトロンの加工性

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高機能プラスチックスカンパニー フォーム事業部

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